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タイ・バンコク
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精霊ピー
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タイ人の多くは仏教徒であり、仏教はタイ社会に深く根付いています。その一方で、タイ社会では今も土着のアニミズムも広く信仰されています。
タイ人の家には、必ず「サーンプラプーン」という家の祠柱が立っています。これは「ピー」という精霊を祀るものです。村の土地神として祭られているのもピー、祖霊もピーです。
ピーは、多くの場合、守護霊として機能し、災害から人間を守る役割とするとされます。その一方で、ピーには、山のピー、海のピー、川や湖のピーといった自然や、象のピーといった生物というようにさまざまな種類が存在し、自然災害を起こすのも、ピー自身であるとされるのです。
ピーは、人びとを災害から守る、守護霊としての役割と、人びとを苦しみに陥れる悪疫をもたらすものとしての二重の側面があるのです。
そのほかタイの観念体系には、コレラの悪霊、産褥死した人の怨霊、動物の霊といった無数の悪霊軍が存在しています。これらの悪霊を撃退するのに有効とされるのが、僧侶の唱えるプラパリットという護呪や、超世俗的な修行者集団であるサンガの提供する小仏像や護符が有効とされます。
さらに、悪霊によって引き起こされた病気の治療や診断に関連して、ピーを統御するモー・ピーという呪医やコン・ソンという依代といった呪術者が存在します。
もちろん、現在のタイは、特に首都バンコクには日本と匹敵するほど立派な病院があります。薬局もバンコクのいたるところにありますし、大型デパートの薬コーナーならば旅行者でも安心して薬を購入することができます。その一方で、呪医たちの存在も決して小さなものではないまま現在に至っているのが、タイであり、タイの魅力なのかもしれません。